映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

映画「トリとロキタ」 ロキター!

□『トリとロキタ』

移民・難民の映画は観ようと思っている。

そんなことが何になるのか。

そんなことして世界からイジメを受けているような移民・難民の役に立つのか。

『牛久』
『マイスモールランド』
『世界は僕らに気づかない』 
『ブルー・バイユー』

その映画料金をUNHCRに寄付した方がマシか。

「難民問題に関する議員懇談会」に参加する議員のツイートを1日中リツイートしていた方がマシなのか。

□偏在する富と安全

なぜ国と国のあいだにカベを立てるのか。
その大地は誰のものでなくてもいいだろう。

ベルギーの大地はベルギー生まれの人だけのものか。
日本の大地は日本生まれの人だけのものか。

どこに住んでもいいだろ。
地球なんて誰のものでもないだろ。

富や安全は偏在している。
富と安全を持たない民がやってきたら、今ある私の富と安全が減ってしまう。

減ってしまうから、死なせるのか。
減るのがイヤだと、死なせるのか。

臆病者がつくりだした不条理。

□希望の躍動

ロキター!ロキター!ロキター!

トリ少年の叫び声が耳から離れない。
切実で甘えるような突き抜ける声。

トリとロキタの生命への憧れがすばらしかった。

なんとしても生きたい、ふたりで生きたい。
人間本来の希望が躍動していた。

きっとどんなに高くカベを立てても、希望が躍動しカベを超えてくる。
既得権益や国際ルールなどに目もくれず。

ロキター!という叫びにはそんなイメージが浮かぶ。

トリの強い眼差し、自転車をこぐ力強さ、障壁を突破する強かさ。

トリは勇気も希望も生命も強い。
荒ぶる希望が野垂れ死にするはずがない。

私はこういう映画を見続ける。
トリやロキタを見続ける。

もし自分が虐げる側、搾取する側にいるならば
いつか駆逐されるのではないかという予感と期待。


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