映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

映画「ジュラシック・パーク」 無邪気で邪悪なフィルムメーカー


□『ジュラシック・パーク』(監督スティーブン・スピルバーグ

『午前10時の映画祭13』でスクリーン上映。
1993年公開の大ヒット作品をはじめて鑑賞。

笑っちゃった。
スピルバーグってやっぱり変態だなって。

とにかくみんなのことを驚かせたい!
そんないたずら少年の顔が思い浮かぶ。

金も労苦も厭わずアイデアをドンドン投入。
まるで『ジョーズ』のときのまんま。

ローラ・ダーンや子どもたちも恐竜にムシャムシャ食わせたかったんじゃないだろうか。

でも世界の子どもたちが観るから泣く泣く自制した変態S氏が目に浮かぶ。


□来世はがんばろ

「言いたいことは何もない、やりたいことが山ほどある」

これがボクのスピルバーグ論。

”巨匠”って肩書は彼を窮屈にする。
”恐怖監督”にしてあげたらいい。

ずっとスピルバーグ作品がピンと来なかった。
自分が情緒的な感動を求めているからだと思う。

映像のすごさに対する感度が鈍い。
そんな自分が残念。

中学のときに一番感動したのは『あ・うん』。
原作・向田邦子、主演・高倉健、監督・降旗康男

しくじってる。
『あ・うん』では映画デートできない。

インディージョーンズ
ゴーストバスターズ
トップガン
美女と野獣

来世はがんばろ。
ギャル男になろう。


□怖い監督の怖い映画

それにしてもスピルバーグは変態すぎて怖い。

「人間が軽々に生命や自然を支配できると思うな」

そんなテーマだと思うけど、本心ではまったくそんなことを思ってないように感じる。

スピルバーグは、無邪気で邪悪なフィルムメーカー。

本作でRアッテンボローが演じたパークの創設者とスピルバーグ自身がだぶる。

恐竜すごいっしょ!
映像すごいっしょ!

やりたいのはこれだけ。
人間とか、テーマには興味なさそう。

ストーリーやモチーフなんてS氏にとっては映像技術を発揮する踏み台。

実際本作ではDNA操作よろしく「VFX」「CG」に手を出し、以来映画界はもとには戻れなくなっている。

グリーンバックの前でリアクション芸する俳優たち...

こわい、こわい、スピルバーグ、こわい

まんじゅうこわい』のように繰り返し唱えていれば、彼はきっともっと張り切って作品つくることだろう。

ブラッドリー・クーパー主演の次回作は刑事ものだが”怖い映画”になるとの情報。


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