映画「月の満ち欠け」 尿漏れ、口内炎など
鑑賞後に、廣木隆一監督のこれまでのインタビューとかを出来るだけ読んだ。
やっぱりそうだ。
たとえば恋愛映画のリアルについて監督が語っているコメント。
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カップルの数だけ異なる人間模様があります。なので「男と女」という枠にはめるのではなく、「このふたりはどんなふたりなのか」ということを考えることが大切なのではないかと。
映画の中でよく「なんで好きになったのかわからない」というセリフが出てきますが、脚本を読んでいる段階から、どうしてこの二人はお互いのことを好きになったのか……。というようなことを徹底的に考えるところから始めないといけない。
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やっぱりそうだ、あぶない、あぶない。
うっかり素人の私が「リアリティわかってんのか」と失言して、一部の人に対して不快にさせる稚拙な表現で人間を更迭されるところだった。
そりゃそうだ、製作陣の方が遥かに考えているんだ。
しかし、これだけの才能や誠実さや血を吐くほどの熟慮が結集しても「月の満ち欠け」が出来上がるのだ。
ここに希望がある。
私ごときの人生にいいことがあるはずがない、気にするなという励ましがある。
大泉洋だよ、有村架純だよ、メメだよ。呼び方メメでいいんだっけ。
彼らを以てしてもああなのだから、私なんかがこうなのは上等なのである。
うん元気出るね。
冒頭で「青森県八戸市」と字幕が出て、そしてすぐ『(有)八戸水産』という大泉洋のトラックが映ったとき、私は尿漏れした。
その字幕いるのか。
すでにここにこの映画の観客への姿勢があらわれているのではないか。この映画は観客が自分で考えることをさせてくれないつもりか。
そして家族団らんの場面は口内炎ができた。
さらに「隅に置けないねぇ」というセリフに銀歯がとれた。
この映画に人間はおらんのか、人間は。
映画中盤で有村架純が小津安二郎の「東京暮色」を観るという監督ならではの素敵なチョイスもあったが、もうそのころには手遅れなくらい痔ろうが進行していた。
監督もスタッフのひとり。製作委員会方式を考え直さないと”人間”をつくれないのではないか。
いいの、いいの。オレなんか大したニンゲンじゃないから。オレの考えとか判断なんて歪んでて、だいたい間違ってるから。これまでたくさんの人に軽蔑されたし、傷つけたしね。卑怯で卑屈な人間なんですよ。オレの感想なんていいんです、いいんです。
ほら私の隣の席の方がハンカチで涙を拭っている。きれいな涙(たぶん)。こっちです。こっちが本当の観客です。この人に届いてよかったですね。オレなんかに届くと、あとの全ての人に届かない可能性ありますから。帰ります、帰ります。帰って家のWi-Fiでジャンボリミッキーのお姉さんの動画観るから大丈夫です。あれの再生回数半分以上オレなんです。
あ、ひとつお願いがあります。オレは生まれ変わるのカンベンしてください。「今もずーと好きですよ」なんていう世界と持病の頻尿とうまくつき合っていけないんです。
監督、「彼女の人生は間違いじゃない」みたいの撮ったら必ず連絡ください。あれ好きです。いいんです、いいんです。銀歯飲んじゃったんで帰ります。
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