映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

映画「ナワリヌイ」 アニキが帰ってくる


その男は
プーチンにも怯まず
国民の権利を獲得しようとする。

長身痩躯でハリウッド俳優のような
ハンサムガイ。

その名はナワリヌイ。

そしてモデルのように美しい妻ユリア。

彼女もナワリヌイに負けず劣らず
品格があり当局や警察にも怯まない。

ナワリヌイが政府の陰謀で瀕死となり
さらに政府系の病院に幽閉されたとき
ユリアは毅然と立ち向かい
夫を奪還しドイツの病院に搬送した。

なんだこのふたり
出来すぎじゃないか!



まるでアクション映画のごとき
勇敢な正義の物語に
胸が熱くなるのを通り越して
自分はこれでいいのかと頭を抱える。

娘も両親をよく理解し尊敬する。

国を越えて協力者もあらわれる。

反体制派というのは貧しくダサいと
無意識に考えていた。

最終的には権力側に踏みつぶされる
悲劇性だけが唯一の輝きだと諦めていた。

「悪人が勝つのは、
 善人が何もしないからだ。
  諦めるな」

彼のメッセージは心強い。
そして耳が痛い。

この覚えづらい名前の英雄に
喝を入れてもらえる。

もはやアニキと呼ばせてくれ。

アニキが6月スクリーンに帰ってくる。

ナワリヌイは現在
ロシア政府に厳しく監禁されている。

現実世界でもアニキの帰りを待つ。


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