映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

2022-11-21から1日間の記事一覧

映画「あちらにいる鬼」 オレの妻

寺島しのぶと”これから一発やるぞ”というときに男が口にした対照的なふたつのセリフ。「オレはあんたを抱きに来た」(豊川悦司)「ああ、エサの時間か」(高良健吾)まさに男女のセックスをめぐるビフォア・アフターだ。トヨエツはホテルのドアをガチャリと…

映画「ザリガニの鳴くところ」 湿地の沼で心を洗う

”湿地の少女”は野生だ。だから彼女は植物や動物と同じように善悪の概念に縛られない。法にも教育にも宗教にも無縁で生きてきた。あったのは生きることに必死だったということ。彼女には「生きることこそが最大の善」である。彼女は、水に飛び込み、鳥の羽と…