映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

2022-08-29から1日間の記事一覧

映画「キングメーカー大統領を作った男」 血塗られない政治劇

金大中と選挙参謀の映画と聞いて、これから血塗られた現代史を自分は観るのだと想像していた。しかし、本作は実にスマートな映画だった。監督自身が言っている。「野暮ったくない洗練された選挙戦の話を描いてみたかった」金大中と言えば、日本で拉致された…

映画「灼熱の魂」 大いに沈痛なれ

昨日の「NOPE」に続いて心を射貫かれたような衝撃を受ける。内容にふれられないほどの映画に遭う。おい、映画館よ。殺す気か。鑑賞後に誰かと語らいたくなる映画はあまたあるが、本作は沈黙を強いられる。あまりのことに口がきけないというか、なんというか…