映画館に帰ります。

暗がりで身を沈めてスクリーンを見つめること。何かを考えたり、何も考えなかったり、何かを思い出したり、途中でトイレに行ったり。現実を生きるために映画館はいつもミカタでいてくれます。作品内容の一部にふれることもあります。みなさんの映画を観たご感想も楽しみにしております。

2022-05-21から1日間の記事一覧

映画「死刑にいたる病」 すでにあるシリアルキラー

水中から岸辺を見上げたキャメラアングル。水の揺れと合わせて地上の景色もゆらゆら揺れる。おぼろげな様子だが、誰かが岸辺にやってきたのがわかる。人物の縁取りは青みがかって揺れていて、なんだか現実感がない。人物が手を高く挙げる。誰かに手を振って…

映画「流浪の月」 地獄の底で手をつないだふたり

さあ、2016年「#怒り」以来の李相日(リ・サンイル)監督の登場です。 「流浪の月」 前作「怒り」のキャストは覚えてますか。#妻夫木聡、#渡辺謙、#宮崎あおい、#綾野剛、#松山ケンイチ、#広瀬すず、#森山未來。もう列挙するだけで震えるオールスターですが…

映画「オードリー・ヘプバーン」 愛されることではなく愛を与えること

瘦せすぎ、鼻も大きい、足が大きいのも嫌い。 オードリーは1929年生まれ、世界恐慌の年だ。「ローマの休日」の愛くるしい笑顔と無邪気さで世界から愛される女優になった。初主演にしてアカデミー主演女優賞を射止めている。 audrey-cinema.com また「ティフ…